(※このコンテンツはnoteで2019年に公開していたものを再編集したものです)
自作で塗装ブースを作っていくつかのキットをエアブラシで仕上げました。性能的には満足なのですが、いくつか解ったことがあるのでお伝えします。
吸気性能は高い方がいい
当たり前なのですが、やはり設置して思うのは吸気性能は僅かでも高い方が良いです。100Φなら100Φのモデルの中で、できるだけ性能の高いものを使う。
これは次に述べるフィルタの問題とも関係してきます。
フィルタの形状・質が一番重要
結局のところ、吸い込み能力が高ければさほど問題はおきません。
問題は「フィルタの性能」です。
自作した塗装ブースではファン直前のフィルタに3Mの「フィルタレット(赤)」を二つ折りにして使用しています。
エアコン用の花粉対策に使うものでかなり目が細かく、これによりフィルタの後ろにあるファンには、「塗料粉末」のようなものはかなり微細なものだけ。つまり目立った形では塗料粉末は通過しない程度の性能が確保されています。
ただし、これには2つの難点があって、一つ目は「目が細かいという事は吸引性能にとってはマイナスになる」という事です。
なので、1番目の「ファンの性能は高い方が良い」ということに繋がります。
そしてもう一つは「フィルタの目が細かいが故に目詰まりが起こる」ということです。
元々ダメだろうと思っていたので採用していなかった「キッチン換気扇フィルタ」をメインフィルタの手前にプレフィルタとして付けてみました。
しかし、多少の量の軽減という意味では使えるが、メインフィルタにしっかりとキャッチされていて、キッチンフード用のフィルタはメインフィルタとするには圧倒的に力不足という結論になりました。
これは「目の細かさも厚みも、どちらも足りてない」という事なのかなと思います。
塗料粉末はファンに付着すれば汚れ、微細粉末なので故障の原因になる可能性もあります。
ただ、でさえ溶剤の成分を外に排出しているのですから、塗料粉末はしっかりと捕捉したい。これを踏まえると、フィルタレットを採用しているということは正解だったと考えています。
しかし、一度サフから塗装まで進んだときに、どうも吸ってない感じだな…と思い、排気を確認してみるとそよ風のようになっていて、フィルタをみると完全に目詰まりしている状態でした。
フィルタを交換したところスムーズに排気されるようになりました。
ただし、これは問題と言うよりは定期的な交換で解決すべき事でもあり、フィルタが目詰まりしにくいということは塗料粉を、ファン、ダクト、外のいずれかに排気とともに放出しているということになります。
対策としては、フィルタがファンに吸い込まれないようにする金網を立体的にし、給気・付着できる面積を広げてあげる事にしました。
ただし、それでも多少マシ程度で、絶対的な面積が大きく変わるわけではないので、定期交換は必要ですね。
クレオスのフィルタからヤシガラフィルタへ
一次フィルタは当初、クレオスのハニカムフィルタを使っていました。
ただ、これの欠点はハニカム状のブロックがストロー状であることで、これがあるから通過したものの吹き戻しが置きにくいとされている一方、ストロー状に対してまっすぐ吹かないと、その壁にあたったものの吹き返しがおきている感じでした。
ですので、塗装ブースのフィルタに使うヤシガラフィルタにしました。
結果としては、目が粗いので吸気性能の減少は感じられないが、表面を見るとウェットなうちの塗料はしっかり付着している。
クレオスのフィルタと違ってフィルタが立体網目状なので吹き返しが若干減り、フィルタの層となる厚みもしっかりあるので1次フィルタとしては十分なものとなりました。おすすめです。
最後に
なんだかんだで快適な塗装生活は間違いなく行えておりますし、構造は自分が一番よくしっているという点においても、やってよかったなぁ!!と思っています。
最後に、各種塗装ブースで見逃されがちな「フィルタ」の問題ですが、市販の塗装ブースを使ってるかたも、開放型の塗装ブースを使ってる方も、環境への配慮として気にしてみるのもよいのではないか、と思います。
以上、自作についてはこれで終了となります。
この記録がみなさまのお役に立てていれば幸いです。
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