1年経って見えてきたFediverse shiftの世界とその先の雑談

イーロン春のBAN祭りから1年。ログインは一切しておらず、紹介されるリンク、検索に掛かったケース以外でTwitterを見ることはなくなりました。(というかログインしてないとそもそも見れない事も多いんですけど)

メールによる通知も全てしてないので無風です。

ということで、一年経ったなぁというところの雑記です。なげーかも。多分長い。特にBlueskyについては長め。

ソトから見たTwitterの風景

ニュースや伝聞からだけなのですが…

  1. インプレゾンビが蔓延するホームセンター
  2. インプレッション目的じゃない著名アカウントの運用変更は起きている(離脱・他併用)
  3. 絵師がよく凍るようになった
  4. 様々不満を漏らしながらも使い続けている人はまだまだ多い
  5. ヘイト・攻撃性が高い層からのニーズはまだまだ高い
  6. 機能の追加には積極的である
  7. 広告効果(費用対効果)は明らかに低そう

という印象ですかね。

あまり語る事もないのですが、イーロンが当初言っていた「BOTの排除」に関しては概ね何も達成できてなさそうだなという印象です。

もっとも、大手広告主の出稿を失い、広告をディスカウントして確保している状況にあって、BOTアカウントがインプレッション報酬を目的とした課金アカウントである、つまりはその収入は現状捨てがたいものですし、なによりDAU/MAUにも貢献するわけですから、改善されることはないだろうなと思っております。

そのモデレーションについても、AI()は事実上あまりうまく機能しておらず、謎のBANやシャドウバンなどもそれなりに発生し、また、インプレゾンビやヘイト関連などは活発なようですね。

また、広告の品質に関しては広告測定会社CHEQがレビューしているこちらの記事「 X(旧Twitter)からのトラフィックは「大半がボットによる偽の数字」であるとの調査データ、Instagramの1%未満に対してXは30%超から期間によっては70%超まで跳ね上がる」が気になるところでした。

外から見てるだけなのでこれ以上はあんま書くことないです。イーロンの出す数字は基本的に信用に値しないと考えているので、公表のMAUについてはどうかな?みたいなところです。どうあれみんな楽しんでればいいなくらいです。

Blueskyに関して

Blueskyはいろいろと進展がありましたね

  1. 招待制が終了し、一般登録が始まった
  2. PDS(Personal Data Server )が正式に解放された
  3. キーワードミュートが実装された
  4. ハッシュタグが実装された
  5. カスタムフィード作りは楽しい。

という2点が大きな動きかなと思います。細かな機能も追加されていて、サービスとしては順当な動きをしていると思います。

Blueskyにおいて、特にSkyfeedを使ったカスタムフィード作りは楽しいですね。これはむしろサードに任せず、公式の機能として取り込んでもいいんじゃないかなぁと思います。

ただ、リストの共有については難しいところがあり、特にリストをブロックすることでそこに並べられたアカウントを一斉にブロックすることができるという機能には、個人的には問題があるように思います。

例えば「スパムリスト」という名称でリストを作り、そのリストの中に自分の気に入らないひとを混ぜておいたらどうなるか、という問題ですね。また、そのリストそのものは手入れ可能なものであるため、最初はスパム業者だったのに、気づけばリストオーナーのイデオロギーと異なる人物が排除リストとなって入っていた。みたいなケース、実際に不当かなという感じでリスト入りしてしまうケースはあったようです。

もっと根底のところで個人的にはBlueskyにはいくつか個人的な懸念点はありまして

  1. 全てのデータは公開として扱われるユーザーニーズとの齟齬
  2. システム全体の構成とその問題
  3. サービスのサステナビリティが不明瞭

あたりが気になるところです。

A.全てのデータは公開として扱われるユーザーニーズとの齟齬

Blueskyは「鍵アカウント」がなければ「DM(非公開1:1リプライ)」という機能もありません。

これはブロック/被ブロックが見れてしまうとかにも現れていますが、全体のシステムが全ての情報を公開で取り扱うという仕組みから現在は実装は不可能で、検討はされてるものの優先順位は高くなさそうですので、少なくとも当面は実装されないものと思います。

これは、Bluesky単体しか使っていない場合、他の連絡手段を秘密裏に伝える手段がない。ということでもあります。もちろんDiscodeやX、InstagramなどなどDM機能をもつ他のオープンアカウントを使って、二段階方式で扱うことはできますが、逆に言えばそういった運用が不可欠になるということです。

ただ、場として考えたときに「そこの場所で秘密を共有する」事ができないというのはコミュニケーションプラットフォームとして弱いと私は考えます。もちろんそれによる弊害は存在しますが、人間の根源として秘密を共有する事はコミュニケーションの原初のあり方の一つだと考えるからです。

また、オープンスペースだとしても、検索されない、例え漏洩リスクがあるとしても一定の範囲であってほしいようなニーズ(ポストの公開範囲の柔軟運用)なども出来ません。悪用もされにくい、という点はありますので、その意図は理解しますし、その運用がいい場面もあるとは思いますが、個人的には選ばれにくい要素になり得る、と考えています。

B.システム全体の構成とその問題

BlueskyはざっくりとPDS、BGS、APPviewという3つの仕組み連携させることで、動作しています。細かい説明はこちらを参照してください。

<atprotoにおけるfederation考察>

フェイズ0はPDS登録可能になる前のBlueskyです。ようはMastodonともTwitterとも何も変わらない単一国家といえます。また、フェイズ1のPDSが増えたとしても、実はあんまり変わりません。

フェイズ2以降は正直なところカオスだなーあははーみたいな感じの印象なのですが、これどうやってやるんでしょうね。売りが「表示上シームレスである」という事だけに、もしBGS/APPviewの関係で表示されないものがあるとしたら、逆にユーザ側から見たら「システムトラブル」みたいな感じの「仕様」ができそうだなという印象になります。

また、モデレーション(特にセンシティブ画像系)の取り扱いに関する齟齬に関するところがPDS依存になるのか、その先にも当然波及していくのかというのは気になるところです。

C.サービスのサステナビリティが不明瞭

「で、まだ表面上マネタイズ要素の残るPDSはともかく、誰がこの後ろ側BGS/APPviewを運用するの?維持コストは?」というところでして。

現状Bluskyは実証実験用として稼働していますが、その継続性のための運用コストはどうやって生み出せばいいのでしょう。今のように富豪の方々が無尽の愛で支えてくれるのでしょうか。

Blueskyの収益化については、旧来のSNSのようなユーザデータの売り渡しはしないというのがBlueskyのポリシーの一つにあります。ということはそれらが受け取ったデータを売ることはできませんよね。

広告についてもかなり否定的な立ち位置にありますが、仮にポリシーの隙間をぬって導入したとしても、それはPDSの収益であってそれ以外の収益とはなり得ません。APPviewが強制的にTLに広告挟み込んだらそれどこのTwitter??ってなってしまいますよね。

ということは、PDSがBGS/APPviewに使用量を払う形になるんでしょうか。通信量に応じて? アカウント数に応じて? BGS/APPviewホスティングサービスのように提供するか? このフリーミアムの世界で? より小さなつながりしか生み出せないサービスに?

といった、様々な継続性(ザックリ言えばマネタイズ)の疑問がどうしても残ります。

Blueskyの見え方とこの先(反論は認める)

Blueskyのシステムは、中央集権として一つのBGS/APPview(群)にぶらさがる多数のPDS(ここが分散)、つまりはBGS/APPviewという中央の下にPDSという独立州がある合衆国制度に近いのかな、と思いますし、最適な姿だと思うのですね。

とてもザックリいうと「であるならば、フェイズ2以降は独立国家同士が通交で運用するMastodon/Misskey(ActivityPub)の形のほうがより分散システムっぽいなー」という印象はありますね。

ActivityPubのようなおのおのが完結された仕組みではない以上、例えばWordpressのように一人のPDSを作ることに、一般的な利用での意味は薄いように思います。また、この先の問題はどうあれマネタイズ次第だと感じています。

Threadsについて

去年7月のオープン以降、物珍しさから恐ろしい速度で1億アカウントを突破したThreadsでしたがその後は減速、一時はMAUで数千万アカウントまで減少していたようですが、今年に入ってMAUで1.3億に到達したとのことで、少しづつ成長軌道に入ってきたかなという印象です。

そのThreadsはこんな感じ。

  1. インプレゾンビ/乞食的な方向は活動しにくい
  2. ユーザに偏りがあり、取得できる話題があるかどうかは人次第
  3. 企業はインプレッションがあるかどうかがややわかりにくい側面もある
  4. おすすめは「その人の言動次第」
  5. 少しづつ実装は進むものの機能的な課題はまだ多い
  6. ActivityPubの中央大陸としての役割を期待したい

Threadsは政治などハレーションの起きやすいコンテンツを使ったインプレッション稼ぎについてはその存在を遇さない方向のようであり、また「おすすめ」TLに関してもあまり出てくることはありません。(泡沫的なモノは出てきます)

ニュース媒体はかなり参入してきており、また、一般企業アカウントも少しづつ参入してきておりますが、マネジメント・アナリスティクス系のツールが実装されるまで、なかなか効果測定など、腰を据えるには足りないかなというところはあります。

「おすすめ」のアルゴリズムもかなり調整が進み、自分でおすすめTLをうまく調整するよう振る舞うとより興味に近いTLが構築できます。

Threadsはおすすめについて、おそらくユーザの行動による構築をベースとしており、単純な話題性(ハイインプレッション)をベースに構築していないのです。

なので、別のサービスで「Threadsは愚痴が多い」といってるかたは、実は結構アクティブにそういうポストを見たり、書いたりしてる可能性が高いのですね。

「汚物を見て汚物と嘆き、くさい物を嗅いでくさいと鼻を曲げる」と表現しているのですが、これ自体は案外無意識にやってしまう人間の自己防衛的なところもある本質行動なんですね。なのでそれ自体が愚かとは思いませんが、そういう行動がある、ということを意識する事でコントロールできます。。

嫌なポストを引き出させないのコツとしては 「見たくない話題、嫌いな話題は言及しない」 「ポジティブに興味のあるアカウントをフォローする」 「いいものにはいいねする」 「嫌いな話題のポストのリプライが見たくて個別ポストで見たりしない」という、すごくシンプルなアクションで、全部とは言いませんが、8割くらいコントロール出来ます。残りの1割はブロックとミュート。残りのノイズはでますが、これはしょうがないといったところです。

ただし、話題についてはやはり多い話題、少ない話題というのはあり、さらに検索についてもモデレーションの機能と時系列の入れ替えによって、正直なところ現状の検索周りは及第点以下の厳しい状況といっていいかなと思います。

ただし、今後としてはいずれ変わってくるかと思いますし、ActivityPUBのセンターにThreadsがあってInstagramと連携して公式・メディアなどが集約し、その周辺都市として様々なmastodon/misskeyサーバが存在する、Fediverseための重要なポジションとなると感じています。

居場所としてのFedibird

基本的な拠点としては、今でもFedibirdを使わせてもらってます。ここを軸に、他のサービスを併用しているという感じですね。一番発信が多く、またプライベートスペースに近い使い方をしているのもこちらになります。

さらっとしたものですが、検索は機能していますし、mastodonサーバですがリアクションスタンプが実装され、またLTLがないFedibirdはとても居場所として快適ですね。セミ招待制みたいな感じなのもあり、全体としてみたときの治安はよいほうだと思います。

それ以外のサービス

使っていないのでわかりません。Misskey.ioはノリがどうもあわないので、アカウントは残していますが放置していますね。

ただ、misskey.ioについてはSkebとのスポンサー契約と連携が始まるとのことで、国内法に準じて使用できる国内のオタク系イラストSNSの大手となる下地が整ってきたように思います。がんばってほしいところですね。

ちなみに、Nostrはもちろん、たいっつーは興味がないですし、Blueskyのユーザが派生させたゲーテッドシティ的な思想のDiscode上のサービスもあまり興味はわきませんでした。

Facebookは頻度が上がり、たまにmixiは見てますw

そのmixiは、ActivityPubを採用してリメイクしたら結構いけるサービスになるんじゃないかと思ってるんですよね。

SNSの今後は…

よーわかりませんが、使いながらその都度使いやすいものを使っていくという事になるでしょうね。

個人的な展望としては、Twitter(X)は富豪がお金をぶち込み続ける限りは続くでしょう、辞めるかどうかは彼が燃料を焼べられなくなったときでしょうから。

Blueskyは「公開アカウントしかない」事と、マネタイズの問題に頓挫する可能性が高いとみています。

Threadsは基本的には規模的本命ですね。マークザッカーバーグが岸田総理にも会ったことで、おそらく欧州同様、ActivityPub×政府行政の話も進んでいく事になるのかなと期待しています。

Nostrは元々がアメーバみたいな存在なので、誰か一人がやってれば存在しますね。なくなりはしませんが認知の外になる可能性は割と高いでしょうし、そういう意味では一般人は近寄るべきではない場所に変質する可能性はありそうです。

Mastodon/misskeyは、お一人様を除く「ノリで作られた小規模鯖」が多数廃止されるタイミングがくるかなと思います。これはノリでホームページを作ったけど更新がとまるのと同じだと思いますので、カジュアルに立てられる事の証左と言えます。先日のスパム騒動もありますから、管理されていない鯖を残すよりはちゃんと閉じてくれる事が大事だなと思います。

まあ、そんなこんなで、みんな楽しくSNSしましょう!

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