(この記事はnoteに公開していたもののリライト記事です)
今、エアーブラシのハンドピースは4つ(正確には3つと特殊1つ)を使っています。それらをご紹介。
ハンドピース選びに困っているかもしれない貴方のお役立ちますよう!
- contents -
GSIクレオス プロコンBOY PS289 WA プラチナ 0.3mm Ver.2
1つめは、鉄板、GSIクレオス プロコンBOY PS289 WA プラチナ 0.3mm Ver.2。
0.3mmのこのモデルは言うまでもなくプラモデル界隈では鉄板扱いされており、ハンドピースの精度、使いやすさ、メンテナンス性、入手のしやすさ、そして価格はバツグンだと思います。
性能はもちろん十分。手馴染みもよく、カップ一体型でメンテナンスもしやすい。キャップはクラウンタイプですが、緩めればハンドピースのクリーニングでは必須となるウガイもできる。
もちろん、ノズルやニードルも補修部品として買うことができる。オーバーホールもしやすい、と、概ね欠点らしい欠点はないですね。
正直これをクリアー用、ソリッドカラー用、メタリックカラー用と、数本を使い分けるだけでもよいと思います。
もう、迷ったらこれでOKという感じ。
とりあえず最初に一本…といわれたら、まずこれをオススメしますね。
ちなみに、買ってはいませんが、同社ダブルアクションの0.3mmにはPS274という同じ0.3mmのモデルもりますが、価格差はほとんどない程度ですから、エアコントロールバルブがついているPS289をオススメします。
また、PS289には地味に「ピタッと収まる収納ケース」がついているのも大きいですね。
しっかりしまっておけると「ガチャガチャしてニードルが曲がってった…」みたいなリスクがなくなります。差額にケース代が含まれると考えればその差はないといってよいかと思います。
AIRTEX H&S社製Evoluiton 2300
2つめはAIRTEXが代理店となって販売しているH&S社製Evoluiton 2300。
こちらは2300Sが0.2、2300Aが0.4mmのエアブラシで、買ったのはAの0.4mmモデル。
主にソリッド系のカラーやクリアをドバっと吹く用に利用しています。PS289と比べると結構ずっしりとしたハンドピースではありますが、動きはなめらかで吹き心地は悪くないです。
もちろん、基本的な性能は十分満たしています。0.3mmを細く吹いたほどの細さは難しいですが、ニードルの引きで調整はできます。
大きめのカーモデルとかのほうが向いているとは思いますが、ガンプラでも特に問題がある感じではありません。
また、こちらはノズル、ニードルのセットを買えば0.15〜0.6まで使い分けることができるというのも大きい。例えばクレオスでプラチナ0.3、0.2を追加で買う金額と、同じ細さのノズルベースキットを買った金額は概ね同じくらいで、ハンドピースが二つになるか、使い分けていくかという事もできます。
そして、この製品の特徴として、ノズルレンチ不要でノズルは固定キャップを外すと一緒に外れる「ドロップインノズル」のため、ノズルレンチを出す事無くササッと中のメンテナンスに入れます。
ニードルを抜いて、ノズルキャップを取ればすぐに奥にアプローチできますので、終わったらノズルはツールクリーナーにつけておいてブラシでササっと内部洗浄とメンテナンス性という意味では優れていますね。
タミヤ スプレーワーク ベーシックエアーブラシ
そして3つめはタミヤのスプレーワーク ベーシックエアーブラシ。
いきなりのシングルアクションの安ブラシですが、このエアブラシ、侮るなかれ、使い方を限れば素晴らしく使いやすい。
普通のシングルアクションは「エアをトリガーやボタンでコントロールして、塗料が出るニードルはつまみで調整(つまり基本は開きっぱなし)」なのですが、この場合、塗料はいつでも出てしまうという状態にあります。
これはハッキリ言えば使いにくい、ゼッタイにシングルアクションを進めない理由なのですが、こちらの場合、エアはでているが塗料はでないから取り扱いはだいぶ楽になる。
しかし、このハンドピースが使いやすいのは、エアは出っぱなしで、トリガーを引くことでニードルが動くタイプのシングルアクションである。という事。
これにより塗料垂れ問題が起きません。ただしエアーはシューシュー出っぱなし。これはご愛敬。
ニードルは0.3とあるが正直もうちょっとあるんじゃね??
みたいな勢いでドバドバでるし、作りは肝心なところ以外はプラなのでとてもチャッチイ。細かな作業には正直あまり向いていませんが、ニードルの引きしろも調整できるので、トリガーでの吹きつけ量はコントロールできます。
意外とイケてるやつです。サフ専用、クリア専用など、スプレーで吹くのような使い方にはバッチリの商品なのですね。
ただし、そのままでは一般的なエアブラシのホースに取付できないので、タミヤから出ている「接続ジョイント」を用意しないといけない点だけは注意が必要です。二つまとめてセットで買うのがよいですね。
また、少しコストはかかりますが同社からでている「エアコントロールバルブ」も付けるとエア出っぱなしの問題も解決します。
これはバルブを回す事でエアの流量をコントロールできる器具で、これを使うことで、AirtexのR1のようなプレッシャースイッチ(エアがハンドピースからでない状態で内部に一定の圧力がかかるとスイッチが切れる、つまり使っていないときはコンプレッサが圧力を維持しつつ動作停止する機能)つきのコンプレッサとの相性もよくなります。
GSIクレオス ガンダムマーカーエアブラシシステム
4つめはガンダムマーカーエアブラシシステム。
当初は缶とのセットでしか売ってなかったのですが、新しくハンドピースのみで売るようになりました。
ガンダムマーカーの発色はかなりよく、特にメタリックに関してはむしろこれがいいと言えるものもあります。
アルコール系ですから、ラッカー系のように常時室外排出みたいな事は不要。
吸い込みリスクを回避するためのマスクはしてくださいね。
もちろん、塗装ブースはあったほうがいいですが、なくても段ボールの奥に新聞紙をクシャクシャにして、手前には換気扇フィルタを立てたものでも十分だと思います。
欠点といえばマーカーのペン先をエアブラシ用にする専用のチップがあったほうが間違いなく使いやすいのですが、それに差し替えても吹きつけが安定しないことで、広い面積に塗るとどうしても厳しい時はあります。
といっても、綺麗な平滑は厳しいくらいで、マーカーで直接塗るよりはずっと綺麗に仕上がります。
また、もともとガンダムマーカー自体、隠蔽力が高いですから、ピンポイントでササッと塗るなら最高のお手軽ツールといえます。
吹きつけのためのエア供給については缶を標準としていますが、勿論、コンプレッサーも使えます。
ただ、ガンダムマーカーでのエアーブラシ塗装だけをメインで使いたいということであれば、缶での運用はできますが、継続的に買うとコストがそれなりに掛かる事、缶冷えによって空気圧が安定しないなどありますので、缶よりも各社から出ているコンパクトタイプのコンプレッサと組み合わせての運用がよいかと思います。
アネスト岩田 Sparmax Flyer
これは買っていないのですが、海外のSparmaxで発売されたのをみて、買おうかなどしよかな!とずっと悩んでいたハンドピースです。
アネスト岩田から出る事までは把握していたのですが、すっかり情報を抑えていない間に発売されていました。
このハンドピースの特徴は「ボトル式」であること。形としては吸い上げ式に近い感じですが、ボトル自体がニードルであり、カップであり、さらにいうと保存ボトルにもなるという、素晴らしいコンセプトのものです。形状としてはシングルアクションのハンドピースです。
同様の商品としては、ガイアカラーのイージーペインターなどが近いものと思いますが、イージーペインターはスプレー型の吸い上げタイプのエアースプレー。こちらはちゃんとしたエアーブラシで、さらにそれを上回る利便性があります。
使い方は…付属のボトルに希釈済塗料を入れる。ボトルをセットし、ボトルの蓋を回してノズルを開く。グリップボタンを押し込めば吹き付ける。という簡単アクションと、ノズルを閉じてボトルを引き抜けばいいだけという手軽さ。ほぼほぼスプレー缶の感覚です。
そして、なんと言っても掃除レス。イージーペインターでもやはり掃除は必要ですが、こちらはノズルとボトルが一体化しているので、同じ色を使ってる限りは基本的な掃除はほぼ必要なし。
吹きつけ幅はやや広くて0.4〜0.5くらいのサイズ感かなという感じで、太めの吹きつけであることも考えると、これに一番適しているのはやはりサフやクリアーでしょうね。なんといってもタミヤのベーシックエアーブラシでも実現しない「掃除レス」です。
タミヤのベーシックエアーブラシ2本分といったところですから、価格的にも悪くないところです。
ボトル事に「クリアー」「ツヤ消しクリアー」などセットしておけば直ぐに吹けます。例えば、このパーツは光沢、このパーツは半ツヤ、このパーツはツヤ消し…みたいな、ツヤを使い分けたい場面でもサクサクテンポよく吹けるのは最高ですよね。
ネックは「付属ボトルが1本」「予備ボトルがハッキリ言って高い」ことでしょうか。ボトルのみ、ノズルのみの発売もし始めたようですが、利便性を考えるとボトルとノズルはセット運用したいですし、色数を揃えていくとそれなりにコストはかかりますね。
とはいえ、ちょっとお休みしているプラモ作りを再開したら買っちゃいそうです。
結論として、どれがいいかというと…
クレオスでもEvoluitonでも、AirtexでもWaveでもよいので、いくつか数そろえるのがいいです。
テンポよく塗装していくのに一番いるのは「ハンドピースの本数』だなと言う事を実感しました。
サフ、ソリッドカラー、メタリックカラー、クリア(カラー)、クリア(トップコート)
大まかに分けて、この5種類の塗料を吹くことになります。。
特にメタリックはどれだけ清掃してもどうしても粒子が残りやすく、トップコートのクリアはソリッドの顔料でも気になる人は気になると思います。
毎回きっちり清掃してからとなると、どうしてもテンポが崩れます。
サフやトップコートはスプレー限定!というのもアリですが、スプレーは強すぎて使えない…という環境の方もいらっしゃると思います。
ソリッド・メタリック・サフ・クリア(カラー)は気にしないことにして共用するにしても、やはりトップコートのクリアは別にしたほうがよいかな、と思います。
また、色を変えるごとにも、もちろん清掃は必要です
ですので、最低限でも2本、できれば3〜4本そろえておいて。吹き終わったら溶剤で軽くうがいして簡易清掃だけして並べて置いて、清掃の時間はまとめてとるというのがよいかなーと感じてます。
また、さらにソリッドやメタリック用として本数を増やしておけば、カップの洗浄を後回しにしてテンポよく塗ることもできますね。
その点を踏まえても、タミヤのスプレーワークは本当に手軽なので1つか2つ買っておく事をオススメします。これはサフ専用、クリア専用と2本使っていくとよいかと思います。本塗装用のハンドピースはできればソリッドとメタリックは分けた方が良いかなと思います。
圧倒的に掃除が楽なんですね。特にサフは目詰まりしやすく、クリアはカラー塗料と共用している場合はできるだけ顔料残りがないよう、しっかりと清掃しなければなりませんが、元々それしかつかわないのであればツールクリーナーでうがい+吹き出しをちょっと繰り返してスルスル吹けるのを確認すれば日常メンテはそれでOKですから、共用するよりもずっと清掃に気を遣わなくてすみます。
清掃するタイミングや塗料の種類による影響、環境などを踏まえて、必要な本数を揃えてみてください。
ともかく、絶対に買ってはいけないのは
×シングルアクションのハンドピース
です。結局、安物買いのなんとやらになります。
また、ガンプラでは有名な「香坂きの」さんのこの動画を見ても、Amazonで売ってる「あれ、同じものが売ってるけど名前が違う」系の安いものは「それなり」といった感じのようです。