先日、ずっと悩んでいた事があります。
私はプリントアウトを型紙として貼り付け、先に一通り目打ちをするのですが、その際にプリントアウトならではの悩みが発生します。
それは「合わせた時の菱目の反転」です。
菱目打ちとは菱形に穴が開きます。通常の菱目は
例えばこうです。これを打ってから真ん中、4目を合わせる形で折りたたんで合わせると…
こうなってしまうわけですね。
本当はこうなってほしいわけですから、こう打たないといけないわけです。
内側で縫い合わせてしまう分には細かいところは見えないので、これでもさほど問題にはならないですし、別々のパーツであれば型紙を貼る側に片側を表、片側を裏地から打ってあわせることもできます。
もちろん、片方だけ打ってから菱キリであけていくという方法もあります。
ただ、大きなパーツを…と考えると、少々面倒でした。めんどくさがりなので。
そこで、通常の菱目とは逆の目で打てる菱目がないかを探してみたところ、昔、協進エルさんが出していたようですが今はありませんでした。
さらに探していくと、岡製作所さんという工具メーカーがオーダーで作ってくれるとのこと…というか、これはおそらく…?
頼んだのは逆菱目数本と1本丸目打ち、それに細々と打ち具をいくつかです。
オーダー製作商品もお問い合わせフォームのリストから選んで見積。
お問い合わせにリターンする形で発注。
それから製作に入って送られてくる。
という流れで、とても丁寧に対応して頂きました。
直接取引での「製作発注」であり、通常の通販ショップのような発注してからのキャンセル等はできませんのでご注意ください。
そして待つこと2週間ほど。
丁寧に包装され、ちゃんと刃先にもゴムコートがしてある製品がついに届きました。写真は撮り忘れましたがw
早速試し打ちしてみると、刃先がちゃんと研ぎ上がっているからか、革への刃の入りがサクサクです。
凄く気持ちいい。
順目がへたってきたら作ってもらおうかな…????!!!!
って思えるくらい気持ちいいですね。これは素晴らしい。
また、予想外によかったのは1本丸目打ち。こちらの工具になります。
通常の目打ちは先から根元に向かってテーパー(角度)がついています。徐々に太くなり、深く刺すとその分穴が拡がってしまいます。
しかし、こちらは針先から一定の所までいくと、そこからテーパーはなくなります。つまり、厚みがあっても穴が拡がりません。
これが凄くいいんです。
例えば直線で外側に糸を回さないとき、細糸だとどうしても菱目の角が出てきます。
しかし、端の1目をこれにする事で切れた角が立たず、ピシっと決まります。
角の縫いもピシ。実に気持ちいい。これは買って良かった…というより、一般商品としてなんでないんだろう??という工具ですね。
オチは…特にないです(笑)
いい工具に出会えるとうれしいもんですね。そういう話でした。