釣りに使う大型レッグバッグの試作で、iPhone. 11 Pro MAXとサイフが入る(だけ)のレッグバッグを作成してみました。
今回はレザー単体ではなくバリスティックナイロンとのmixです。
レザーは手持ちのものから。本体部分をレザーで作るとコストが高すぎるという事から、本体の袋部分はコーデュラ バリスティックナイロン(1680D)をAmazonで購入して切り出しました。
購入先のトップランさんは専門で扱う布屋さんであることを確認し、安心しての購入です。
コーデュラ バリスティックナイロンはよくカバンに使われているもので、強度、引き裂き、耐水性と十分信用のおけるものです。
その中でも1680D(Dはデニール)はかなり厚手に入る生地で、裏地のコーティングとあいまって扱いやすく、薄手のレザーと同じ程度の適度なハリがあります。
通常のナイロンと比べると少々高くはありますが、レザー140cm×100cmでとなると数万円。それが4100円ですから気軽なものです。
注意点としては、コーティングしてあるといっても切り離したところは布のように糸がほつれますので、切り離しは熱処理して溶かし、ほつれ留めをする事でしょうか。
だいたい200度くらいあれば溶けるようなので、ハンダごてやホットナイフ、ヒートペンなどでかるくなぞるだけでOKです。
ライターやヒートガンでもいいのですが、布地本体にも結構当たってしまうのでオススメはしません。
他、レザークラフト的に問題なかった工程は以下です。
- 目打ち(菱目打ち)
OKです。ただし革と違って穴の部分の繊維が多少なりとも切れますので、見えるところの場合はミシンのように目打ちで縫い穴を開けるほうがよいかも。見えないとこなら菱目でガンガンいくと楽です。革とボンドで重ねてから開けるのであれば全く気にしなくてよいかなと思います。 - ポンチ
スクリューポンチOKでした。堅牢な布だけに少し空きにくいので、切れ味の悪いポンチだとダメかも…?
毛羽立ち・ほつれが気になるならハンダごてをスっと入れるといいかもです。怖いけどw - ボンド
ボンド(Gクリヤー)ではレザー貼り合わせのような強固な接着力は発揮しませんでした。裏地側は表地よりはくっつきやすいので、ボンドで仮止め圧着をキメてから、目打ちで穴を明け、縫い止めすれば、逆に全面縫い上げなくても大丈夫だと思います。
さて、製作の話に戻ります。
ナイロンで作るバッグ本体部分は、図面(ほぼ四角に接着用のミミがついたような感じ)をキッチリと引いてプリントアウト。
それを型紙に布を切り出し、その角の部分を表地を合わせる形で三角折り、ボンドで仮止め圧着してから、根元5mm程度内側に目打ちで穴をあけて縫い上げます。
そして、最後に縫い代から1cmくらいのこして切り落とす。切り落とし部分は改めて熱で端処理。
最後に全体をひっくり返す、トートバッグなどでも使われる方法です。
下が図面の一部。L字の点線が目打ちのガイドライン、斜めが折り線です。
そうやって底・表・側面(左右)の4面の箱型に仕上げたものを、形を保持し、蓋を取り付ける部分には補強の革を取付、それを土台の革と接着、土台の縁取りするように革でさらに接着してカシメています。
蓋は手前から外に開く形。これはレッグバッグをそういう構造にしたいから …外側から手前に開く、蓋が手前にくる形だと蓋が邪魔になる… という理由でこちらもそのまま採用しましたが、これがなかなかに使いやすいので気に入っています。
本体固定はジャンパーホック、蓋の固定はマグネ2個で、リンクに指を引っかけて引っ張れば簡単に開きますが、マグネットボタンがちゃんとついていれば不意に開いたりはしません。
後半、図面設計ミスってた部分のリカバリをがんばったものの、カシメのあたりはかなり乱暴なものになってしまいました。
吊り下げのベルト部分、最初の写真であれ?と思った方もいるかと思いますが、斜めで合っています。
先日のロッドホルスターで使ったものと同じアタッチメント方式にしてるので、それと同じ型紙で製作。つまり斜め止めになります。
こんな感じになります。まっすぐ落ちるよりもちょっと動きがあって楽しい感じに仕上がったな、と自画自賛。
厚みのある革なのでベルトがヨレることもなく、中にiPhoneをいれても概ね傾いたままです。
世界は広いのできっとこういうのはあるのだろうな、とは思いますが、ロッドホルダーとあわせて、この左右どちらでも角度を付けて保持できるベースアタッチメントシステムを「帯刀 – Taito – 」と呼ぶことにしました。
さて、それはさておき。
試作だからざっくりでいいか…と思ってほったらかしてた青い革の裏地がちょっと気になったので、さらにトコノール(黒)で染め直して、これで一応の完成、ということにしました。
持ち歩いてみるとちょっとベルトループの部分が通常のベルトに対しては広すぎる等ありましたが、自分がつくったというのもあり、凄く気に入ったものに仕上がりました。
デザインからギミックまで欲しいものを詰め込んで。これは世界でひとつだけですからね。超アガります。
とはいえ、作ってみての制作上の改善ポイントなどは見えたので図面は6割くらい引き直し、いずれver.2をつくろうかな、と思ってます。
以上、レッグバッグの製作記でした!
とはいえ、その前に釣り用のレッグバッグかな…。
ルアーケースとまったく同じ大きさの使ったものをいれるケースの2つが入るレッグバッグ。重ねるか、連結させるかはまだ少し悩んでますが、今回の経験が活かせるのは間違いなし。手数こそ向上ですな〜